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2012年 12月 11日
12月8日(土)9日(日)、第16回日本統合医療学会が
大阪大学コンベンションセンターで開催された。 統合医療とは西洋医学だけに依存せず、 伝統医学、民間療法などを統合した医学のことであり、 西洋と東洋の智慧を融合させ、 「全人的医療」を行う医療である。 大変盛りだくさんのプログラムの中で、 「心と体に対するストレスと統合医療」 「がんの統合医療」 などの企画に参加させていただいた。 その中でお聞きしたことを少しだけまとめてみた。 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~ がん患者さんの悩みは 再発・転移に対する心配や漠然とした不安、 人間関係のストレスなど、 心の問題が最も大きい。 この問題に対して認知行動療法などの心理療法が 患者さんの精神状態やQOL(生活の質)向上に大変有効である。 (大阪大学 大型教育研究プロジェクト支援室 平井 啓先生) 厚生労働省の定期健康診断では、 脳・心臓疾患や精神障害などの有所見者がどんどん増加しつつあり、 平成19年からはメンタル面での所見がもっとも多くなった。 6割近くの人が心のストレスを感じている。 メンタルヘルスマネジメントが重要であり、 そのための「統合的アプローチ」が必要である。 (慶応義塾大学大学院 政策メディア研究科 野口 海先生) 孤独などの精神的ストレスはがん再発、がん転移を憎悪させる。 がんを含む生命を脅かす疾患に直面した患者の 身体、精神、社会的な面をとらえて 全人的に支えていく医療が求められる。 (富山大学 和漢医薬学総合研究所 済木育夫先生) がん患者さん100人中50人は精神科の診断がつく。 つまり、2人に1人は心のストレスを抱えながら、 悩みながら治療を受けている。 精神症状は“苦痛”であり、本当に苦しく、 「肉体的な痛みよりきつい」と患者皆さんが言われる。 精神症状の改善は治療に不可欠である。 (埼玉医科大学 国際医療センター 精神腫瘍科 大西秀樹先生) ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~ がんだけでなく様々な病気の発現、進行に 心のストレスが大きくかかわっていることは 今や広く知られているところではあるが 医療の最前線で活躍されている先生方のお話を直接お聞きし、 ストレスマネージメントや全人的アプローチの重要性を また改めて認識させていただいた。 ヨーガ療法は全人的健康をめざす療法であり、 運動療法であると同時に優れた心理療法である。 ヨーガ療法が統合医療の中に組み込まれている理由はここにある。 わが日本ヨーガ療法学会理事長の木村慧心先生は 「PTSDに対するヨーガ療法実習効果」 というテーマで講演された中で次のように語られていた。 ~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~ 3千年前に書かれた タイットリア・ウパニシャドには 人間五蔵説の記述があり、、 人間が五つの蔵からできており、 これら全部機能して初めて人間はよく動くようになるとしている。 カタ・ウパニシャドには 10頭立ての馬車に見立てて人間をとらえており、 いずれも人間の構造論の記述である。 ・・・・ヨーガでは太古より人間存在を全人的にとらえていることを説明された。 さらに、 肉体、呼吸、感覚、感情、知性から、過去の記憶にいたるまでの コントロール法も記述されている。 ヨーガ療法の指導として具体的には ・肉体(食物鞘)における内なる変化を意識化させる。 ・呼吸(生気鞘)も意識化させる。 ・感覚(意思鞘)的には「ア」「ウ」「ン」音を意識化させる。 ・知性(理知鞘)に対しては 2300年ほど前に書かれたヨーガの根本経典ヨーガ・スートラから学び、 人間のすべての煩悩は「無智」であり、「無智さ」とは「認知の間違い」だと知り、 ネガティブなものとかポジティブなものとかを 自分でどうとらえるかという認知の仕方を意識化させる。 ・記憶(歓喜鞘)の浄化法の智慧を伝える。 ・・・・元祖「マインドフルネス」のジョンカバッド・ジン博士の 「ヨーガは世界最高の自己コントロール法」 という言葉を紹介しながら ヨーガ療法は肉体、感情、知性、過去の記憶に至るまで すべてコントロールする技法を有する全人的なアプローチ法であること、 そして PTSD(心的外傷後ストレス障害などの心の障害に対しても 大変有効であることを 多くの実例報告を示しつつ説明された。 ~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~ 「心と体に対するストレスと統合医療」の司会者の先生が ヨーガは統合医療に非常にマッチした治療技法であり、 今後もっと医療の現場で使われていくのではないか とコメントされておられたが、ありがたきお言葉である。 ポスター発表によるヨーガ療法の実践報告も7題あり、 統合医療の中でのヨーガ療法の位置づけが 次第に確固たるものになりつつあることを感じた。 このような会で学ばせていただいたことに心から感謝しつつ 今後の活動に少しでも役立てていきたいと思う。 ありがとうございました。
by prashantih
| 2012-12-11 16:38
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