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2013年 04月 27日
先日4月19,20日、第11回日本ヨーガ療法学会研究総会宮崎大会
「ストレス・ケア~こころと身体のシンフォニー」に参加させていただいた。 プログラム 19日 ○一般講演 吉田紀子氏(鹿児島県日赤血液センター所長) 「介護予防とヨーガ療法」 ○大会長講演 森憲正氏 (宮崎大学名誉教授) 「呼吸と心情」 ○招待講演1 佐藤綾子氏(日本大学藝術学部教授) 「信頼関係をつくる自己表現」 ○招待講演2 ヴェッセル・ヴァンデル・コーク氏 (国際トラウマティック・ストレス学会会長) 「米国のトラウマ患者に対する心理療法としてのヨーガ療法の実態」 ○招待講演3 仁田伸一氏(一般社団法人日本統合医療学会理事長) 「統合医療の今後の展望」 20日 ○ヨーガ療法士養成講座卒業生による一般研究発表とポスターセッション 今回は招待講演のプログラム一つであった ヴェッセル・ヴァンデル・コーク先生の講演 「米国のトラウマ患者に対する心理療法としてのヨーガ療法の実態」 の内容を私なりにまとめてみた。 コーク先生はPTSDの人たち(トラウマを抱えた人たち)に対する治療に 取り組んでおられる脳神経学者であり、精神科医である。 PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは 凄惨で過酷な出来事によって生命が脅かされたり、人としての尊厳を損なわれるような体験を経験したり目撃したりすることで心に衝撃的な傷を受け、それが元になって様々なストレス障害を引き起こす疾患のこと 脳の仕組み、脳と心の関係、心と体の関係について わかりやすく解説してくださりながら 科学的な研究と豊かな臨床経験を踏まえつつ PTSDに対するヨーガ療法の有効性をお話してくださった。 コーク先生のお話の内容は、 PTSDの人たち(トラウマを抱えた人たち)だけでなく 多かれ少なかれストレスに翻弄されてしまう私たちすべてにとって興味深く 示唆に富んだものになっていると感じた。 ~*~*~*~~*~*~*~*~*~*~~*~*~*~*~*~*~~*~* PTSDの人たち(トラウマを抱えた人たち)に対する治療の目的は 安全と自己コントロールの回復 この目的達成のためにヨーガの3本柱を使う。 ☆アーサナ ・自分の体が自分のものなんだという意識、気持ちになるために必要。 PTSDの人たち(トラウマを抱えた人たち)は 過去の脅威は今ここに起きているわけではないのに 今でも危険にさらされているという肉体の反応が続いている。 なので「今体が安全です」ということを実感させること。 体が安全ですという体験をさせるのにヨーガ療法は非常に効果的。 ・感情は体で体験する。 ある姿勢である感情が感じられる。 トラウマを抱えている人は固く丸まってしまう、収縮する傾向がある。 ・感情を変えたければ体の状態を変えること。 体を動かす、体を使うことによって脳の状態を変えることもできる。 ヨーガクラスでいろんな体の形を体験して、 いろんな感情の肉体的な形を体験できるようになっていく。 これは自分の体だという認識も強くなっていく。 ☆プラーナーヤーマ ・自分の体をコントロールするために、自分が体の持ち主となるために プラーナーヤーマは効果的。 ・ゆっくりとした呼吸で心拍変動が健やかなものとなる。 そうすると脳幹の働きが適切になり、感情コントロールが可能になる。 ※速く浅い呼吸は健康に非常に悪い。 そういう呼吸をよくしていると、がん、心臓病、うつ、不安症になりやすい。 心拍変動を健康なものにしていくためにプラーナーヤーマは有効。 ☆瞑想・マインドフルネス ・自分の中に何が起きているのか、 自分の体の感覚はどうか、どんな呼吸をしているのかなど、 自分に気づく力、自分の内側を意識化できる力(内受容の能力)を育てることができる。 ・自分の内側を意識化できる力(内受容の能力)を育てることが 唯一感情をコントロールきる方法である。 なぜなら、自分を意識化するときに使う脳の部分と 感情的な反応を調節する脳の部分が同じだから。 (感情的な反応を調節する脳の活動を増やすことができる) ・意識と体をつなげてくれる「島」という脳の部分も活性化する。 ・自己認識と関係する脳の部分も活性化する。 ~*~*~*~~*~*~*~*~*~*~~*~*~*~*~*~*~~*~* 講演の最後に、深刻なトラウマを抱えた患者さんにヨーガ療法がいかに役立ったか、 患者さん自身の証言を紹介してくださった。 ・自分の体とつながることができた。 ・自分の体がどこにあるか感じ取れるようになった。 ・どうやって自分をいたわるかを学んだ。 ・自分の体の声を聞けるようになった。 ・自分の気持ちに振り回されず、人生がもっと対応しやすいものになった。 自分の体に非常に嫌な感覚を持っていたり 自分の体を感じないようにしていた状態から 自分の体を自分のものとして取り戻しておられる。 まさに「安全と自己コントロールの回復」の実証報告である。 ~自分自身の中に、喜びも、居心地よさも、愛も感じられなかった状態から 自分自身の内側に「喜びと居心地よさと愛」を感じることができるようになること~ コーク先生が 「ヨーガインストラクターとは 人が喜びと居心地よさと愛を感じられるための指導者である。」 と言われていたが 自分自身の内側に「喜びと居心地よさと愛」を感じるとはどういうことなのかを この講演の内容すべてとコーク先生自身のお人柄を通して 私たちに伝えてくださったように思う。 貴重な学びをさせていただいたことに心から感謝したい。 ありがとうございました。 ■
[PR] 2013年 03月 25日
ヨーガ療法は心の訓練法であり、制御法であるので
ヨーガの体操である「アーサナ」も 心理的なアプローチ法の一つとして位置づけられる。 筋肉に負荷をかけ緊張と弛緩を繰り返しながら そのときに生じる生理的な変化を意識していくことで 自分の内側を観る力をつけていく。 一方、当然のことながら 身体面に実に大きな恵みがもたらされる。 アーサナは優れた身体の鍛錬法であり、健康法である。 数千年の歴史の中で ヨーガ行者さんたちによって面々と伝えられ実証されてきた 伝統の智慧である。 その伝統のエッセンスとは 筋肉にアイソメトリックの負荷をかけ 自分の身体を自分自身で鍛え上げていくということだ。 ※「アイソメトリック」とは「等尺」という意味で 筋肉の長さを変えないで押し合う引き合うなどの負荷をかける静的なトレーニング法。 その手法が 筋肉を鍛え、強い足腰をつくる。 また 自律神経やホルモンバランスが調い、生活習慣病などの改善効果がある。 以下は今年1月から3月までに生徒さんから報告を受けた アイソメトリック・アーサナによる身体的効果の実例である。 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~ 《60代前半女性Aさん》 体力テストで脚筋力アップ。 1年前と比べて 体幹伸展力(背筋) 60.7㎏→70.3㎏ 体幹屈曲力(腹筋) 35.9㎏→39.0㎏ 脚伸展力(太もも前) 31.0㎏→41.0㎏ 脚屈曲力(太もも後) 24.0㎏→25.0㎏ 柔軟性もアップ。 長座位体前屈 50.0㎝→57.0㎝ ★アイソメトリック・アーサナは 筋力をつけるだけでなく柔軟性も向上させることは 一回の体験でも納得できるものである。 《70代前半女性 Bさん》 HDLコレステロール(善玉コレステロール)の値が低く 担当医から要注意との指摘を受けていたが 最近の検査でHDL(善玉)コレステロールの値が上がって 危険ゾーンから基準範囲に入り(36㎎/dl→44㎎/dl) 担当医から何か始めたのかと聞かれた。 ※HDLコレステロール値40㎎/dl未満は要注意とされている。 「善玉のHDLにはLDL(悪玉)コレステロールの酸化を抑える働きがある。 HDL値が高い人ほど死亡率が低いというデータもあり HDLがさまざまな病気を抑えている可能性があると注目されている。 HDLコレステロールは食事では増やせない。 HDL値を上げるには筋トレを織り交ぜた有酸素運動が一番である。」 ・・・・・・・・寺本民夫(帝京大学医学部 医学部長・内科教授) ★アイソメトリック・アーサナは筋トレを織り交ぜた有酸素運動である。 《50代後半女性 Cさん》 骨盤底を鍛えるエクササイズ(毎日朝晩10セットずつ)をし始めて 3週間ではっきりと自覚症状があった。 尿漏れが改善された。 ★骨盤底筋を鍛えていくことで 尿漏れ、尿失禁、子宮離脱、膀胱離脱などの改善、予防になる。 《40代後半女性 Dさん》 数年来高めで要注意だった肝機能の数値が今年初めて下がり LDL(悪玉)コレステロール値も下がり 体重は減って引き締まった。 Dさん曰く 「食事内容も変えていないし、この好結果の原因は ヨーガを続けているということ以外考えられない。」 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~ 報告してくださった皆さんは アイソメトリック・アーサナを続けているおかげだと明るい顔をされていた。 効果を実感できると それは大きな励みとなる。 一生を生き抜くために必要なこの大切な身体。 より多くの皆さんがヨーガ療法の手法に出会い その身体的効果を実感していただけたらと思っている。 ■
[PR] 2013年 02月 27日
自分に一番近いもの とは何だろう。
ヨーガによるとそれは 自分の心 であるという。 その最も身近な自分の心をうまく制御できているかといえば それがなかなかできないのが人間であり、 それによっていろいろな悩み、問題、不幸が生じてくる。 ヨーガは心の制御法を説いている。 わが心に振り回されるのではなく わが心の主となって不動の平安に至ろうとする。 ではどのようにして振り回されずに 心の平安を保つのか。 ヨーガにおける心の制御法の第1のレッスンは 「観察する」ということである。 すなわち自分の心を「客観視する」ということ。 客観的に観て 自分の心がどういう状態にあるのかを知ることなしに 心をコントロールすることはできないからである。 たとえば「怒り」。 ちょっとムッとしたり、イライラしたり、カッとしたり。 目の前の出来事に反応して 日常的に大小さまざまの怒りの感情の波が生じ わたしたちの心を乱す。 ある人から何か暴力的な言葉を浴びせかけられたとする。 自分が興奮するのを感じ、怒りの感情が沸き起こった時、 「今自分は怒っているのだ」 と客観的視点から観る。 感情に取り込まれて 自分が怒りそのものになる前に 怒りの感情を抱いた自分と距離をとるのである。 先日2月13日の「バガヴァッド・ギーター勉強会」において 木村慧心先生が「客観視」の実践的なワザを提案をしてくださっていた。 自分が感情的な言葉を吐いてしまう時 その言葉のあとに 「・・・・とわたしの心はつぶやいた。」 と続けるといいのですよと。 たとえば夫婦喧嘩に発展しそうな場面においても 「あなたはいつもそうやって文句ばかり言うよね ・・・とわたしの心はつぶやいています。」 という具合に。 これはやってみると実に納得がいくのだが この言葉をつけるだけで 感情に取り込まれてしまいそうになる自分から 一瞬わが身を引き離すことができ その一瞬が自分の心の冷静さを呼び覚ます。 日本ヨーガ療法学会の顧問である 熊野宏昭先生(早稲田大学人間科学術院教授・応用脳科学研究所長) も言われている。 客観視するための実践的な手法として 「・・・・と思った」といつも自分の心を実況中継してくださいと。 ヨーガを学ぶものにとって必読の書「ヨーガ・スートラ」によると 「除去されるべき苦悩の原因は、観照者と被観照者との結合である」 (2章17節) とある。 観照者とは見るもの。真我。変化することのない自分。 被観照者とは見られるもの。肉体や心。変化する自分。 常に変化する自分の肉体や心を客観視できればできるほど 観照者に近づいていく。 観照者(見るもの)の側に立つことで 苦悩の原因が除かれ、安らかに住まいできるというのだ。 なるほど・・・・。 客観視をすれば平安に向かう ということなのか。 ただ何事も一朝一夕にはいかないのは世の常である。 朝に夕に客観視の訓練をし、習慣にしていかねば ね。 ヨーガのアーサナも呼吸法も客観視の基礎訓練でありますから ね。 ■
[PR] 2013年 01月 14日
岡山第2回目の「ラージャ・ヨーガ」と「バガヴァッド・ギーター」の勉強会が
来る2月13日(水)、岡山県立図書館にて開催されます。 この人生行路を進んで行く時、 私達は何を指針とすればいいのでしょうか。 まず間違いがないのは 何千年もの風雪に耐え、伝え続けられてきた 先人の智慧に学ぶことではないでしょうか。 ヨーガは4,5千年という悠久の歴史の中で ヨーガ行者たちによって伝承されてきた 深遠な智慧と具体的な行法を有しています。 本勉強会はその内容をわかりやすく学べる またとない貴重な機会になっております。 伝統的ヨーガ指導の第一人者であり、 日本ヨーガ療法学会理事長でもある木村慧心先生が 大変丁寧にご指導くださいます。 皆様奮ってご参加ください。 初心者の方も大歓迎ですのでどうぞお気軽にご参加ください。 ※ 詳しくは本ホームページの《お知らせ》をご覧くださいませ。 ■
[PR] 2013年 01月 10日
新しい年明け
いいことがたくさん訪れますように でもいいことばかりはない いいとは思えないこともまた起きてくるだろう でも 何が起きても どんな時でも 常に変わらぬ心の平安を保ちながら 目の前の出来事を受けいれ 冷静に対処していけるしなやかな心の強さと 肉体の強さを 今年もまたヨーガの実習を通じて培っていきたい 天と地と人 すべてに感謝しつつ ■
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